
- 本書はタイトルからもお分かりいただけるように、2017年10月に発売された『残念な鉄道車両たち』の続編だ。『残念な鉄道車両たち』では、30車種の残念な車両、すなわち意欲的な設計コンセプトの下に開発されながら、さまざまな事情によって真価を発揮することなく消えていった車両を採り上げた。「残念な」という形容が「出来が悪い」という意味でないのは当然のことで、むしろ、整えられた環境の中で働くことができたなら、現在のものとは大いに異なった評価を得たに違いない鉄道車両について、その顛末を振り返り、鉄道車両の運用について望ましい姿とは何かを考察している。本書においても、基本的なスタンスに前作からの変わりはないが、『残念な鉄道車両たち』で採り上げた車両は、ほとんどが国鉄・JRの車両であったので、本書では私鉄、第三セクター鉄道、あるいは公営交通の車両を採り上げている。意欲的であったがために、残念な結末を迎えてしまったともいえる車両たちは、成功したといわれる車両よりも純粋で、魅力的だったのかもしれない。