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「小商い」で自由にくらす

「小商い」で自由にくらす

房総いすみのDIYな働き方

磯木淳寛

出版社:
イカロス出版
判型:
A5判
ページ数:
186ページ
発行日:
2017/01/20 

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房総いすみのDIYな働き方
とくに田舎暮らしがしたいわけではない。ただ、好きな「ものづくり」に好きなだけ打ち込みながら、人とつながって生きていきたい。そう考える30?40代の人たちが、いま、千葉県のとある地域に多数移住している。

 彼らは「ものづくり」に喜びを見出し、クオリティの高いプロダクトを作り続けながら、それを個人開催のマーケットで対面販売することで糧を得ている。この働き方を本書では「小商い」と呼び、彼らが集まる地域を「房総いすみ地域」と名付けた。

 独身の人もいれば、子どもを持つ夫婦もいる。子連れで毎週末のマーケットに出店し、平日はものづくりに没頭する。生活費の足しにパートタイムの仕事やアルバイトをする人もいるが、軸足はあくまでも、ものづくり。多くの人が固定店舗を持たず、地域でひんぱんに開催されるマーケットを商いのステージにしてコストを抑えている。そのうち、自分でもマーケットを主催したりする。

 アクセサリー、ケーキや食べもの、靴や洋服、小物雑貨──「小商い」のプロダクトはさまざまだ。人によってはネット販売や卸販売などへ販路を広げたり、店舗を作ることもある。どう発展していくかは自由。ただし、事業の成功を最優先に考えている人は少ない。やりたいのは、十分な時間をかけて納得のいくものを作り、喜んでくれるお客に手渡すこと。それで食べていければ幸せなのだと笑う。

「房総いすみ地域」は房総半島の海沿い、人口約4万人のいすみ市と、その周辺の市町村を指す。美しい海と里山にかこまれたこの田舎町の周辺に、なぜ「小商い」を支えるマーケット文化が花開いたのか。
「小商い」のプレイヤーたちは何を考え、日々をどう暮らし、まわりの人たちとどのようにつながっているのか。
 そもそも仕事とは何なのか。目指すべきモデルが見えにくい今の日本では、どう生きるのが幸せなのか。

 自身も「房総いすみ地域」に移り住み、「小商い」プレイヤーを妻に持つフリーライターが、約30人の関係者にインタビューを重ねた。新しい世代の働き方・生き方のヒント、これからの地方の在り方が、じわじわと浮き出てくるような記録集、生き方論。


〈小商い〉と〈マーケット〉がさかんな「房総いすみ地域」とは?

1章 「地方×小商い」の実践者たち

ESSAY 1 地方に芽吹く、小商いの創造性

INTERVIEW
店を持たない「小商い」のプレイヤーたち
〈ケーキ屋〉 東京にいたらケーキ屋は始めていなかった
〈マクラメ作家〉 まだ見ぬお客さんと時間をかけて出会っていく
〈自転車屋台のコーヒー屋〉 人が少ない田舎で、人がつながるための屋台
〈くつのつくり手〉 房総半島にひとりだけのハンドメイド靴職人
〈焼き鳥屋〉 2拠点居住の小商いスタイル
〈ハーブ作家〉 湖畔に構えた小屋がアトリエ
〈Tシャツ屋〉 コメへの感謝をTシャツに込めて
〈焼きそば屋〉〈真鍮細工とアクセサリー作家〉 夫婦で協力して営む、それぞれの小商い
〈おにぎり屋〉 惚れた風景を守るこだわりおにぎり
〈消しゴムはんことアクセサリー作家〉 消しゴムはんこで人とつながる
〈はちみつ屋〉 趣味の養蜂からはちみつ屋に
〈自然物のアクセサリー作家〉 いつも作品づくりを考えています
〈自然派スイーツ屋〉 手持ちの道具で小さくスタート
〈アクセサリー作家〉 自宅も手造りするクラフト屋夫婦
〈一点モノの子ども服作家〉 どこまでできるか挑戦を
〈オリジナルごはん屋〉 出会いを楽しみ、コラボも行う
〈ラーメン屋〉 店舗を開くことも視野に

ESSAY 2 「ローカル」の小商いを成り立たせるもの

拠点のある小商い
マーケットで人と出会い、店舗でビジョンを発信
オープンは月に一度だけ、場所は最大限に活かす

INTERVIEW
〈野生の菌で醸すパン、地ビール&カフェ〉タルマーリー

始まりはいすみだった

ESSAY 3 「Face to Face」で商いはすごくなる

2章 小商いとマーケットカルチャー

INTERVIEW
地域にマーケットをつくる意味
ナチュラルライフマーケット 渡邉格・麻里子
房総スターマーケット 水野俊弥

実践! マーケットのつくりかた

ESSAY 4 マーケットで地域の価値を掘り起こす

INTERVIEW
小商い論・田舎論
〈マクロビオティック料理家〉中島デコ
〈WEB マガジン『greenz.jp』編集長〉鈴木菜央

房総いすみ地域 マーケットカルチャーの成り立ち

FACT SHEET
「小商い」の暮らしとお金は?

3章 拡張する「Do It Yourself」

DIY精神とコミュニティ
子育ての場をつくる/醤油をつくる/地域通貨をつくる
小商いプレイヤーをつなげるハブ
アイデア×リアルのハブ/里山人×里海人のハブ/地元民×新住民のハブ

INTERVIEW
小商い論・田舎論
〈『Spectator』編集・発行人〉青野利光
〈共生革命家/東京アーバンパーマカルチャー主宰〉ソーヤー海

ESSAY 5 すべての始まりは「D‌I‌Y」

TALK
米国の「スモールビジネス」と日本の「小商い」
対談・〈N‌Y在住ライター〉佐久間裕美子

YELLOW PAGES
本書に登場する、さまざまな人、モノ、コトの情報と連絡先